BizTech Frontier 2020

2020年2月6日 | By 縄田 直治 | Filed in: データの利活用.

freeeの開発者中心向けイベントBizTech Frontier 2020に参加してきました。

佐々木社長の創業理念の説明から始まり、APIを広く開放してfreeeのサービスを便利に使ってもらうことでスモールビジネス(中小企業)のバックオフィス業務をサポートしていくことを実現していく構想が話されました。

その後は技術サイドの方向けのセッションとユーザよりのセッションとに分かれて、本当は両方聞きたかったのですが、身体が一つしかないのでユーザサイド側に参加。APIを開放するfreeeの戦略によるユーザのビジネスへのメリットや、開発者にとっての優位性などもよくわかってきました。

freeeのビジネスは技術的に特殊なものかというと、決してそうではありません。強いて言えばAWSを使って環境を構築しているところと、WEBベースのサービスであることでしょう。サービスも会計と人事労務ですから、レガシー中のレガシーと言えます。ではなぜ私が関心を持つのかという点を述べます。

freeeは「スモールビジネスを世界の主役に」というミッションを掲げています。これを実現するために、スモールビジネスの運営にとって大きなボトルネックとなるバックオフィス業務、特に会計と給与について人的作業を最小化するというKPIでサービスを展開しています。ここまでなら普通のビジネスモデルです。冷静なのは、自社だけではそれらのボトルネックはすべて解消できないし、逆に他社であってもすべてを叶えることは難しいと割り切っている点です。特にユーザサイドの要望は千差万別で、経理や人事本来の機能とは切り離して、他社のサービスに委ねて協働で問題解決にあたるほうが賢明であるとの考えが基礎にあります。

そこで、自社のサービスをAPIとして開放するとともに他社のサービスをAPIでも相互に利用できるようにすることで、有機的なサービスのエコシステムが形成されていくことを目指している点がとてもユニークだと言えます。

もう一つわかったことは、スモールビジネスと考えているのはfreeeのユーザとなる事業者に限らず、freeeのAPIを使ってビジネスを展開するであろうフリーランサーなどの開発者のことも考えているという点です。これは開発者コミュニティを形成したり、APIを使いやすくするためのマニュアルを充実させたりする点に現れています。CTOの横路氏のお話の中で、初期のfreeeの開発に当たってはオープンソースに随分と助けられたということを話されており、自らもサポータの役割をする立場にあるという認識が素晴らしいです。

こういう思想は会計事務所にとっても大きなメリットがあります。それは、出来合いの分析システムを使ってレポートを作成し経営者に提出するのではなく、専門家独自の考え方を加えたサービスなどの開発ができるという点です。講演の中では、freeeに特化した会計事務所の方のお話もあり、NPO法人向けのアドオンや監査用のツールなどの紹介もありました。

今後、いろいろな発展が期待できますが、さて私はどう展開していきましょうか。

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