第1回 スタ★アトピッチJapan 決勝大会

2020年3月1日 | By 縄田 直治 | Filed in: 未分類.
https://events.nikkei.co.jp/23895/

2月28日(金)日経ホールにてスタートアップビジネスのLTが開催されました。本来なら、ホールに行ってその熱気を感じたいところでしたが、コロナウィルスの感染抑止の観点から会場は閉鎖され、日経チャネルでネット公開されることに。キャンセルされるイベントが多い中で、ネット中継を決めたことは嬉しいことです。以前から、こういうイベントは会場のみならずネット中継すれば地理的な条件の不公平が緩和されると思っていたところなので、今回はウィルス対策とは言え、結果的に良い選択でした。

私の場合、自宅のテレビにはGoogle AIYが動くRaspberry PiがHDMI接続されているので、そこからネット接続してTV画面で観覧することができました(カメラつけたらTV会議システムができそうだ)。

プレゼンは10分程度ですが、その後に審査員からの意地悪な質問などへの応答があり、緊張感がある中で、さすが全国の予選を勝ち抜いた人たちのやりとりは立派でした。

スタートアップと後継ぎの人たちが半々くらいでしたが、集まった事例の傾向を自分なりに考えてみました。おそらく次の4つのキーワードで説明できます。

  • 社会課題の解決
  • 身近なリソース
  • 情報技術の活用アイデア
  • なんとかしなければという情熱

社会課題の解決

各プレゼンは、介護、障害を持った子供、地域の過疎化、途上国の貿易といった社会問題を取り扱っていました。いわゆるSDGsのテーマに何らか沿ったものであり、「こうして儲かります」というビジネスプラントは一線を画しています。ただ、彼らはあえてSDGsの中から課題を見つけたというよりは、身近にあった事象に正面から向かっていくことで自然にその課題に行き着いたものばかりで、SDGsは周囲の人が視る後付の理屈です。つまり社会課題とは身近にある問題、もっと簡単に言えば「困ったな」という感覚です。

身近なリソース

プレゼンターの半数が事業承継者であったこともあり、親から受け継いだ経営資源を活用しています。とはいえよく言う「ぼんぼん」ではありません。むしろ、経営が傾いていてこのままではどうしようもない、なんとかしないと会社が持たないというところからスタートしている人が多かったような印象です。後継者でない方は、たまたま障害者の方に出会ってそこから靴磨きの会社を起こした人とか、商社に勤めていて貿易の問題に気づいて自分でビジネスを起こしたなど、コアには自分のやっている学問や事業との関係の知識や資源を活用しています。

情報技術の活用アイデア

情報技術の活用は昨今は当たり前です。むしろどのように情報技術を活用するかというところに焦点があります。技術を活かしているというのは文字通り外見からの言い方です。それは結果論であって、課題解決の手段として技術が使えないだろうかと試行錯誤して今の結果を生み出しています。そこには「すごい技術」ではなく、普通にある技術を工夫して使うというところに特色があり、「こうすればなんとかできるかな」というアイデアの方が技術よりも大事なようです。これは、プロトタイピングとかアジャイル開発とか言われる方法を個人で実践しているとも言えますね。

なんとかしなければという情熱

身近な問題を限られたリソースの中で情報技術を活かしながらというのは、中小零細企業ではある意味それ以外の道はないとも言えます。やはり自分がなんとか問題を解決してあげたいという情熱が最も必要な要素でしょう。身近な問題について自ら何とかしようと努力するからこそ、身近なリソースも活用できるくらい人に支持してもらえ、アイデアも湧き出てくるのではないでしょうか。

最後に、本田宗一郎氏の次の言葉を思い出しました。

発明はすべて、苦しまぎれの智恵だ。
アイデアは、苦しんでいる人のみに与えられている特典である。

自分に足りないのはこの苦し紛れの中での情熱ではないかと反省したところです。

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