私の業務用のパソコン環境(1)

2019年10月30日 | By 縄田 直治 | Filed in: データの利活用.

私の使っているパソコンは中古品(私自身も人類の中では同様)ですが、業務で用いる分には速度と安定性という点では不満はありません。
Windows10は少し古いPCにすると途端に遅くなるとか、アップデートが強引にかかるとか、いろいろと使っている人から不満を聞きますが、私のPCは中古品であってもサクサクと動いています。その秘密はOSに Linux Mint を使っているからです。

PCでLinuxを使うようになったのは、2年前のとある事件がきっかけでした。

Windows10の更新に失敗

Windows7のマシンを使っていた人は誰もが経験されたように、2017年頃からしつこくWindows10へのアップグレードが勧奨されるようになりました。ほとほと嫌気がしてMSに根負けしてしまい、Windows10へのアップグレードをしました。ただし万一のためにWindows7に戻せるようにバックアップも取っておきました。
実際に、Windows10をダウンロードしてインストールする作業は時間がかかりましたが、途中でエラーなのか動かなくなってしまい、しかも起動すらできません。
Windows7のバックアップは取ってあったのですが、Windows7のリストアも復旧もできなくなりました。どうやらシリアル番号の部分が壊れたみたい😅

OSは買えばなんとかなるのですが、データは自分だけしか持っていないので、HDDから復旧しなければならないのに、OS自体が起動しないのではどうしようもなく途方にくれるしかないわけです。

実はこのときより少し前にハードディスクが壊れて復旧したばかりだったこともあり、データ自体はほぼUSBに落としてあったので大きな心配はなかったのですが、それでも直近のデータを戻したりする作業があるのは大変な労力です。

救いの神Ubuntu

たまたま書店で 日経Linux が目に入ったので立ち読みしたら、付録のDVDからUbuntuが簡単に起動できるとあります。「うぶんつ?なんじゃ?」と思いながらも、「Linuxサーバーでは一番使われているディストリビューションで・・・(あーだこーだ)」とあり、なんにせよこれでデータが救えるかもしれないと期待して試してみました。DVDを入れて起動すると1分もしないでUbuntuが起動しました。この時点でOSとしての軽さを実感しました。
するとどうでしょう。Windowsのファイルシステム(NTFS)にアクセスすることができ、データはいとも簡単にしかも完全に復旧しました。さらにそのままLinux自体を試してみると、使いやすいインタフェースと軽快な動きに魅了され、そのままUbuntuを使い続けることになったのです。

PC利用のあるべき姿?

日常生活という面ではほぼスマホで物事は片付くようになりましたが、PCの大画面とキーボード入力の利便性、さらにはいろいろなアプリケーションの使いやすさという点ではPCにまだまだ軍配が上がります。
しかしWindowsXPからVistaへ変わったときにインタフェースのデザインが大きく変わってしまったときのように、OSの設計がユーザに影響するのは迷惑でしかありません。※いずれこの問題は、ロボティクスを使っている業務で暴発するはずですが、別に書きます。

いまや私は公共性の高い学校や官公庁こそLinuxなどのオープンソースを使うべきとの考えに立ちます。ハードウェアは中古品(企業ユースのリース切れ)で十分です。単にコストだけの問題ではありません。PC利用で一番大事なことは、ハードウェアでもソフトウェアでもありません。それを使う人がリテラシを向上させることです。わかりやすく言えば、今あるハードとソフトを組み合わせて、目の前の課題を解決する手段を見出す力を持つことです。

オープンソースを使うことで情報に関わるリテラシーの向上が期待できます。必要に応じて使い道が広がり、利用によって開発されていく色々なツールを共有していくことで社会全体にフィードバックができるという点が大きいのです。また、そのコミュニティに社会からのフィードバックが加わることで、学校教育がオープンなものになり、官公庁の業務が自ずと改善していくというサイクルが構築できる可能性を持っているのではないでしょうか。

さらに、オープンソースを使う過程でいい学びがたくさんあります。それは世の中がコミュニティで成り立っていること、たとえ一人のユーザに過ぎなくともコミュニティの一員であるという実感のようなものが得られることです。大人には関係ないというご意見もあるかもしれませんが、この点は私の文章力ではうまく表現しきれないものがあります。

日本に情報技術系のイノベーションが起きないのは、実はオープンソースを使った教育を通じて知識のオープン化という考え方を会得していないからではないかとも考えるようになっています。最近話題のブロックチェーンもオープンソースです。人工知能と言われる機械学習や深層学習などのコードが動くソフトウェアPythonも、それで書かれるアルゴリズムもオープンソースです。そこにある「思想」を知ることは決して損はないでしょう。日本人にとっては異質のコミュニティではなく、むしろいい意味での村社会です。出入りが自由なので閉鎖性は全くなく、一方でベースになる考え方を共有している人たちの集まりです。

余談(どのくらい古いマシンで動くか)

色々な報告がインタネットで得られるので検索して参照してください。
私から報告できるのは、以下の3点です。

Windows7で動いていた東芝Dynabook TX65の2009年モデルにはUbuntuが搭載されています。一度ハードディスクが飛んでしまったので換装しています。メモリも8Gに増やしました。

更に古い、IBM ThinkPad X31はWindowsXPが標準搭載されていたマシンです。いまはThinkPadはLenovoのブランドですが、IBMというロゴが入っているのでその古さを感じてしまいます。もともと持っていた友人にLinux入れれば復活するよと教えてあげたら、「じゃ上げるから自分でやれば」と頂いたものです。当初はUbuntuを入れる予定だったのですが、このときに買った日経LinuxにMintが付録でついていたので試しに使ってみたところ、Windowsとよく似たメニュ構成でしかもサクサクと快適に動くので、気に入ってそのまま使っています。MintはUbuntuをベースにして開発されているので、使い勝手はUbuntuとよく似ています。

いま業務用に使っているThinkPad X260も中古品です。購入時にWindows10Proが搭載されていましたが、最低限必要な領域だけをSSDに残して、他はすべてLinux用のext4というパーティションにして、Linux Mint MATEを搭載して動かしています。

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