私の業務用のパソコン環境(2)

2019年10月30日 | By 縄田 直治 | Filed in: データの利活用, 未分類.

Linuxって技術者向きで難しくないのですか?

この質問はしばしば受けますが、答えはもちろんNoです。というよりは、Windowsでも難しい部分は難しいので、むしろ簡単さを比較したほうがいいのでしょう。

簡単さという点ではGUIの出来が影響しますが、GUIが一つしかないWindowsに比べて、多くの種類から選べるLinuxの方に軍配が上がります。

Windowsのインストールも何度も経験していますが、途中で数回のリブートがかかったりして時間も要します。
Linuxのインストールはものの10分もあれば終わります。つまりそれだけ軽くシンプルにできているわけです。

OSという点で一番嬉しいのは、しばしば小刻みなアップデートがされることです。これはセキュリティ対策の上でも大変有効ですし、何よりアップデートの負荷がかからないのが嬉しいです。ギガサイズの更新がよくあるWindowsに比べると、ディストリビューションのアップデートを自体が自分で選択できる上に、日々のこまめな更新処理により、OSだけではなく追加インストールしているソフトウェアも更新できるのが嬉しいです。

sudo apt update
sudo apt upgrade

というコマンドは環境を更新するための、最初に覚えるLinuxコマンドです。おそらく最も頻繁に使うコマンドですので、覚えるというよりは染み付くというべきかもしれません。
もちろんOSのGUIでも更新はできますし、自動更新に設定することも可能ですが、いちいち窓を開くよりもコマンドを叩くほうが速いですし、すぐに慣れます。

Linuxが難しいと感じるのは、技術者にとってテキスト入力でコマンド叩く処理(CUI:こっちのほうがむしろ簡単)が、GUIに慣れている人には難しく見えるからです。GUIでも処理できますよ〜。

Windowsのソフトが使えないのでは?

Windowsで動かすソフトは確かにLinuxでは動かせません。しかし、特定の機能を持ったWindowsのソフトウェアの機能はたいていはLinuxでも入手できます。たとえばOfficeなどは同類のLibreOfficeを使えば、表計算、文書作成、プレゼンテーション、データベース、お絵かきがほぼ同じようにできます。生成されるファイル自体はWindowsもLinuxも同じ仕様なので、特に読み書きに困ることはありません。よほど特殊な処理をしたものであればたまに表示がずれたりすることがあるくらいです。

オフィス以外に何か特殊なソフトを使っている人はどのくらいいますか。
ブラウザについてはWindowsではInternet Explorerを使っている人が多いかもしれません。それでも、FirefoxやChromeを愛用している人も多いのではないでしょうか。LinuxではIEが使えません。一つ難点が(かつて)あったのは、電子取引などでIE対応(のみ)のサイトが多かったということです。いまはスマホが普及したためマルチプラットフォーム対応が当たり前になったためか、そういうサイトは見当たりません。唯一、所得税の申告書が出せないのが困っていますが、これはスマホで対応できます(年に一回ですけど、国税庁さん、なんとかしませんか?)。
色々なツールや追加機能を探す楽しみはオープンソースの世界ならではです。

 WINEという仮想環境ツールをインストールすると、一部のWindowsソフトが使えるようになるようですが、私はその必要性に迫られたことがありませんので、そこまで困っていないのでしょう。

私はゲームをしないのでよくわかりませんが、ゲームソフトはLinux用というのは聞きませんね。そもそもオープンソースという考え方がないので仕方がありません。むしろPCゲームをする人はハードにはグラフィックボードを入れたり、ジョイスティックを使ったりしてゲーム専用の環境を作っている人が多いのであれば、それ自体が一つの世界であると考えたほうがいいのかも。

困ったときに助けてくれる人がいないのでは?

Windowsなら助けてくれる人はいるのでしょうか。会社のサポートデスクを除けばそういう環境にいる人はむしろかなり恵まれています。しかもその人がすべてを知っているわけでもありません。ただ実際に助けを求められる側は、それなりに負担を感じていたりもします。

Linuxの場合は、ネット検索でどこかに答えが見つかるだろうという前提で、ひたすらに検索して探します。これで半分以上の問題は解決します。どうしても解決しない技術的な問題は、エラーメッセージをそのまま検索エンジンにかけたりすると、技術者が多いQ&Aのサイトに誘導されることが多いです。英語のサイトにもたくさんの解決策が見られますし、今ではそういうサイトの翻訳サイトもあります(自動翻訳なので、多少、日本語が変ですが)。そこには色々な人の色々な試行錯誤が掲載されていて、読んでいるだけでもかなり勉強になることが書いてあります。実際、私の周りにはLinuxを使っている人はいませんし、困ったことはネットで調べる(ときには直接開発者にメールして質問する)ことによって解決できています。調べることがまたいい勉強になっています。

このようなQ&Aサイトは開発者も参照しています。問題があれば逐次解決されていきますし、迂回策なども共有されています。私自身も質問を出したことが数回ありますが、いずれもすぐに解決しました。

一つ気をつけたいのは、答えを教わるのではなく、解決のためのヒントを得て問題自体は自分で解決するという姿勢です。これはLinuxにWindowsに限らずですが。

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