記録と記憶

2020年10月17日 | By 縄田 直治 | Filed in: 組織改革.

世の中、デジタル化が叫ばれて久しいですが、どうしても眼が行為とか道具に行きがちです。つまり、デジタル化するには何をすればいいか、どういうツールを使えばいいか。

しかし、そもそもデジタル化は目的ではなく、何かを実現するための手段でもありません。社会の流れがそうなっていて、そうするほうが便利かもしれないからです。

アナログであれデジタルであれ、原点にあるのは記録して記憶に残すということです。

企業の場合は、企業活動にまつわるデータが記録されるわけですが、これまでの議論とこれからの議論の違いは、記録と記憶の方法が、自前から外注に変わる転換点になるということでしょう。既にBPOなどにより経理業務や給与業務等を外注している会社はたくさんあります。とはいえその前提には自分たちの会社の記録は自分たちでという考え方が根深くあります。でもよくよく考えると、記録がいつでも照会や複製の形で利用できるという前提があれば、何も自分たちでその仕組みを用意しなければならないということはありません。いいサービスがあれば外注しても構わないわけです。

ここに大きな新しいビジネスが加わります。つまり取引の当事者を媒介する記録サービスです。これまで当事者それぞれが取引の記録を残さなければならなかったのが、媒介記録があればそれ自体が取引の記録になり得ます。副次的には記録から有用な情報を生成して提供するようなビジネスも生まれるでしょう。そうなってくると旧来型の管理者も無用の長物になってくるかもしれません。働く人のエージェント化も進むことでしょう。

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