マインドマッピングツールを使うようになって思考整理がかなり楽になった。これを使って複雑な監査手続を整理すると便利かもしれないと、例によって単なる思い付きだが、実行中。
まだご紹介できるほどには至っていないのでここには載せないが、面白い気付きについて共有したい。
まず中心テーマに「適正意見の表明」と書いて、一人ブレストをやってみた。
面白い結果とは、中心テーマを取り囲むように、財務本表、脚注、KPI、経営者の誠実性の四つのテーマによりカテゴリが構成されたことだ。これは自分の思考様式であって必ずしも汎用的な正解ではないかもしれないが、気付きとして重要なことは、財務本表と脚注だけではなくそれとはパラレルにKPI(の正しさ)や経営者の誠実性が適正性の根拠として挙がってきている点だろう。
通常は財務本表と脚注が正しく作成されていれば適正意見が出されると誰もが考えるが、経営者の誠実性がない(不正の意図が見え隠れすると言い換えてもよい)ところにはいくら正しく作成されているように見える決算書であっても、適正意見を出すための心証が形成されないということを示しているようで、興味深かった。
もうひとつのファクターとしてKPIが上がっているが、これも決算その他から得られる財務比率や財務以外の業績評価指標が、利用者の立場から納得の得られる数字となって現れているかという極めて当たり前のことが、心証形成に繋がっていることの発見である。
自分の思考様式がまるで頭の中を覗いているかのように見えてしまうところが、ツールとしての面白さであるが、また自分の独特な思考様式への気付きを与えてくれる点がマッピング作業の面白さでもある。