期中に検出された重要な欠陥が是正されたことを開示

2009年6月27日 | By 縄田 直治 | Filed in: 内部統制報告書.

株式会社スカパーJSAT(E04497)の内部統制報告書では、期末日現在の内部統制は有効とした上で、期中に検出された重要な欠陥を改善したことが特記事項として開示されている。

5 【特記事項】
当事業年度中、全社的な内部統制において重要な欠陥が発見されましたが、当事業年度末日時点において是正されております。重要な欠陥の概要は以下のとおりであります。

当事業年度において、当社で財務経理業務を担当する業務執行取締役が、取締役会で承認された取引方法とは異なる方法で自己株式を取得する取引を行った社内規程違反であります。

当社は、業務執行取締役による社内規程違反であることから、この事実を発見後ただちに、当該取締役の業務執行に係る担当を全て外し、業務執行取締役(常勤取締役)から非常勤取締役といたしました。また、以下の再発防止施策を実行いたしました。

 ① 組織による相互牽制機能を強化するために、財務及びIR機能を別の本部組織といたしました。

 ② 業務遂行の相互牽制を強化するために、各部の業務分掌を変更いたしました。

 ③ 自己株式取得に関する実務指針を制定いたしました。

 なお、当社は全社的な内部統制の再評価を実施し、重要な欠陥の影響は限定的であることが確認されたことから、業務プロセスに係る内部統制に重要な影響を及ぼしていないと判断いたしました。したがって、上記2 評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項 に記載している業務プロセスに係る内部統制の評価範囲は変更しておりません。

取締役による自己株式取得に関する内規(言葉としては出ていないが、インサイダ取引規制と思われる)違反行為についての対応を開示したのではないか。どこまでが財務報告に係る内部統制なのか判断に迷う部分だが、現行制度の枠組みでは、財務報告に影響しない統制についてその対応を開示する制度は明確ではない。このような事例はむしろコーポレートガバナンスに関する事項として開示するほうが相応しいと考えるが如何。

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