見えてきた内部統制評価制度への対応

2009年1月18日 | By 縄田 直治 | Filed in: 財務報告統制.

既に経営者の評価報告書を提出した会社もあるようだが、天王山となるのはこの3月である。残り少ない時間を意識して是正措置に優先順位をつけているところも多いだろう。

ここに来て凡そ以下のような類型化ができるかもしれない。

内部監査部門の対応として

1.内部統制評価報告制度を既存の他の制度(ISO品質管理やコンプライアンス等)と一体で捉えて、その中で評価・改善に取り組もうとしている組織。

2.とりあえずは財務報告目的の統制として理解しつつ、1への発展系を睨んでいる組織。

3.財務報告に対象を絞って試行錯誤しながら何とか経営者評価としての形を作り上げている組織。

4.評価要員・スキルも含めたリソース不足によりなかなか経営者評価をオンタイムに実施できない組織。

また、構築運用部門の対応としては、

1.財務報告に限らず組織の業務プロセスを前提にいろいろな目的を同時に満たすよう業務を見直ししている組織。

2.財務報告に限定して業務プロセスを捉えて、業務の見直し・改善を図っている組織。

3.財務報告リスクの把握分析ができてはいるが、それに応じた経営者としての妥当な統制水準の表明に苦慮している組織。

4.財務報告リスクの把握分析ができず、そのためかどのような統制の設計整備が必要なのか判断に苦慮している組織。

構築運用部門がもともとしっかりしている組織であれば、経営者評価もさほど大変ではないので、リソース不足の問題などは解消されることだろう。
しかし、構築運用のレベルが低いにもかかわらず経営者評価を充実させようとすると、本来は統制をより充実させるための手段であるはずの経営者評価が目的化して、構築運用部門が萎縮する危険性があるので、バランスを考えむしろ社内コンサル機能を充実させる必要があろう。
構築運用部門がずたずたで経営者評価もできないとなると、制度対応はとても怪しくなることは言うまでもないが、そういう会社はさすがに現段階ではないものと思いたい。

Print Friendly, PDF & Email

Tags:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

超難解計算問題 *