世の中、操業停止、人員削減、販売不振と不況のニュースばかりである。そういう中で内部統制評価に取り組んでいる会社からは、「それどころじゃない」との声も聞こえてきそうだ。
しかしそれは詭弁に他ならない。
通常、財務報告リスクは業績が悪化しているときほど高くなる。決算をよく見せようという不正への動機は、業績回復時よりも業績悪化時の方が高いというのは、誰にでも感覚としてわかる。業績悪化字こそ綻びが表面化しやすいとも言える。
むしろこういう状況こそ、本当の意味でのリスクアプローチを適用して、よりリスクの高い領域について経営者のモニタリングをすべきところなのだ。
尤も、経営者がそういう動機を持ったときに、内部統制は機能するかという議論は、制度の枠外ですべきだろう。この制度は、経営者が会計不正防止発見のための手続を整備するという位置づけの制度なのだから。
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