銀行システム入門

2013年6月29日 | By 縄田 直治 | Filed in: ブックレビュー.


著者はメガバンクでシステム部門を担ってきたまさにベテラン。経営者を意識して書かれた本書は、技術的な話は一切ない。むしろ、銀行システムは商品そのものであるという認識のもと、銀行システムの最低必要条件である「顧客に迷惑をかけないこと」を守りつつ、CIOあるいは経営者がどのようにシステムに向かうべきかを説いた内容となっている。

内容に「こうすればよい」というハウツーは一切ない。あるのは物の見方・考え方であり、経営者としての心構えである。

税込8千円とやや高価だが、銀行システムをガバナンスという観点から捉えるには本書のような「入門」が必要だが、この手の本はあるようでないものだ。メガバンクのシステムを経験した人からお話を伺うことができるとき、講演料として払う金額と考えれば、内容からして「お得感」のある良書なので、特に金融機関の会計監査に携わる監査人には推薦できる。

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