WICI-J

2008年10月30日 | By 縄田 直治 | Filed in: 開示制度.

WICI (World Intelecutual Capital Initiative)の日本での団体の設立総会が、2008年10月30日(木:大安吉日)に、某大手監査法人の会議室を借りて開催された。

参加メンバーは学術団体、ITベンダー(DB系、検索系)、証券関係、開示資料印刷、監査法人などである。


WICIは、現在の企業内容開示制度が、主として過去の事実に基づく財務情報に偏りすぎている問題点を認識し、特に貸借対照表に現れない企業独自の「価値」をどのように開示していくかということを基本テーマに据えている。

開示制度の世界的潮流としては、日本では国際財務報告基準(IFRS)へのコンバージェンスのみならず、世界的な統合が目論まれており、共通の「測定」環境が構築されようとしている。

また、開示データについては、XBRLというデータ仕様による財務データレベルでの共通仕様がほぼ確立され、日本ではEDINETやTDNETでの開示で用いられ、米国でもEDGARでの導入が決まっている。これにより、利用者は企業が公表するデータを転記・再入力することなくそのまま使える利用基盤が整備されることになる。

そういった状況の中で、おそらく大事になってくるのは、数字への意味づけである。まったく同じ数字を示した決算報告であっても、その報告主体が置かれているビジネス環境(事業種類や市場、制度背景)が異なれば、その財務数値の意味は全く異なったものになる。これに対する個々の企業による意味づけ、すなわち経営者の視点は特に投資家から注目されることになる。

また環境問題や労働問題、貧困、飢餓、紛争、疫病といった社会問題に対して、企業がどのように対応しているかということは、今後ますます注目されることになるだろう。

そのような、制度的基盤、技術的基盤、社会背景などの潮流を踏まえてのWICIの日本団体の創設である。当面は、KPIの作成やTaxnonomyの作成など地道なところから始めるようだが、大いなる活躍を期待しつつ、自分もどのように貢献できるか考えているところである。

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