監査人による内部統制の監査の実務指針の中で、「重大な欠陥」と「重要な欠陥」とが混在しているので、最終的に「重要な欠陥」と標記することにしたとの説明がある。
「重大な」と「重要な」は元々、使い方が全く異なる言葉であるが、こと会計専門家の間ではあまり意識せずに使われてきている。最たる例が、「重要性の基準値」といった使い方である。
「重大な」という言葉はその後に悪いことを示唆する言葉が繋がる。反対に「重要な」といえば「欠くべからざる」という意味があるので、畢竟、よい言葉がその後に続くはずである。
したがって、「重要な欠陥」という言い方は少し変に聞こえるのだが、それは私だけなのだろうか。尤も、監査上の判断にあたって「欠くことのできない重要な」欠陥という言い方もあるのかもしれないが、こじ付けに聞こえる。
同じく、「重要な不備」も何となく変だ。不備事項の軽重を問うのであるから、文字通り「重(軽)度の不備」という言い方をすればよい。
制度を定着させるに当たってはなるべく世間で普通に使われている言葉を使うというのは「重要な」ことだと思うのだが。
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