海外子会社の決算に関する重要な欠陥

2009年6月27日 | By 縄田 直治 | Filed in: 内部統制報告書.

KFE JAPAN株式会社(E03002)内部統制報告書(平成21年3月期)
岩崎通信機株式会社(E01768)内部統制報告書(平成21年3月期)
フォスター電機株式会社(E01797)内部統制報告書(平成21年3月期)
セイコーエプソン株式会社(E01873)内部統制報告書(平成21年3月期)

などでは、海外子会社に関係する重要な欠陥が開示されている。

前2者は、決算における誤謬の発生であり、主に知見のある人材不足等に起因している。また後2者は、現地法人において不正が発覚したケースである。
ひっくるめて言えば、「海外子会社に対するモニタリングが不十分であった」とされてしまう事項であるが、結果論でもあり、では具体的な対応・対策をどうするかはグローバルに活動する日本企業にとっては、極めて頭の痛い問題であろう。
海外子会社に纏わるいろいろな問題を整理すると、財務報告統制に関する問題の縮図のような状況が分かってくる。しかしその解決策となると、コストとの関係で、なかなか妥協点が見出せないというのが、経営者の悩みとなっていることは想像に難くない。

  • 現地に日本語の分かるスタッフがいないことから、本社とのコミュニケーションが疎になってしまい、状況の把握が遅れたり漏れたりして対処ができない(物理的な距離により気軽に往来できないといった問題も含まれる)。
  • 現地に経理的知見のある人材がいないことや、経理知見はあっても日本の会計の事情がよく飲み込めず、結果的にエラーを招いてしまう。
  • 日本的な「顔が見える関係」に依存した統制の文書化と、お互い見知らぬ同士を前提とした統制の文書化のレベル間の違い
  • 日本で当然視される仕事に対する「姿勢」と、現地の「常識」との違い。
  • 経済環境の激変と、常態化する会計規制の変更と、人材とのアンマッチ(国内ですら発生する問題であり、況や海外においてをやである)。
  • 現地監査人との意思疎通
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