会計監査ジャーナル2010年1月号のバックメッセージ(編集後記)に考えさせられる記載があった。要約すると以下のとおりである。
著者(荒井卓一氏)は、香港で国際会計基準の実務、米国で米国基準を実務を経験しており、香港では「原則論を基礎にした議論が監査実施時の中心」で「取引の本質論が主であり、準拠性の議論はあまりな」いが、米国では「必ず・・・FASBを手許に置いて議論」していたとの感想を持つ。
これを受けて著者は次のような問題提起をする。
IFRSは原則主義であっても、高度に会計技術的な要素がふんだんに盛り込まれているので単純な会計原則論だけでは議論が進まない。準拠性に主眼を置いたディスクロージャ制度に慣れた日本が、どのようにIFRSの下でのディスクロージャに挑戦するのか。
IFRSの導入とは、単なる会計制度だけの導入ではなく、基本的な開示に対する姿勢の違いを乗り越えて理解しなければならないというハードルが待っているようだ。
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