運用でカバーして

2008年2月7日 | By 縄田 直治 | Filed in: 会計とIT, 情報技術の管理.

システムの開発過程で仕様を検討する際に、開発担当者がユーザに対して「そこは、運用でカバーしていただけませんか」ということがある。
開発要求を要件に上げることをやんわりと「拒否」しているのだが、これには当然に理由がある。

  • 要求がシステムの基本構造からすれば枝葉末節な仕様である
  • 要求の重要さからして優先順位が低い
  • 開発工数の割りに業務効率の改善への貢献が見えない
  • 人間がそれを行なったほうが、あえてシステムに落とすよりも簡単にできる
  • ・・・・

などなど理由は色々ありそうだ。
しかし本音レベルで共通しているのは、「本当にそれ必要なの?」という疑問ではなかろうか。

ユーザ側も、仕様要求を出すに当たって、どういう形で業務展開をしようとしているか、大事な点はなにか、効率と安全のトレードオフをどこで決定するか、かける金はシステム部門ではなくユーザ部門が払うとすれば本当にそれだけの金をかける価値がある要求なのか・・・・というあたりを検討していなければ、「必要なものは必要なんだ」という押し問答になる。

これは、最後は「時間切れ」とか「部長の一声」などで裁定されてしまい、本来検討すべきことが曖昧なままプロジェクトが進む可能性がある。

内部統制の検討に当たってはこのようにあいまいにしてきた部分が露呈してくる可能性がある。
もともと、ユーザ部門(経理など)が仕様要求を出す際に、「財務報告の適正性」という観点から「ユーザと一体となって機能するIT統制」を明確に考慮していなかった場合には、その曖昧さを見直すよい機会かもしれない。

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