Archives: リスクの分析と評価

リスク把握における3つの会計事象観点

2007年9月2日 | By 縄田 直治 | No Comments | Filed in: リスクの分析と評価.

会計事象すなわち会計が捉えるべき企業価値の変動には経営者の主観的判断の関与度合に応じて3つの観点があると考えられる。 1.経営者が意図した行動により生ずる取引による価値変動 2.経営者の環境認識によってもたらされる価値変動 3.経営者が測定上仮定した計算条件の変更 もしかすると2と3は同じことかもし…

リスクの把握

2007年8月19日 | By 縄田 直治 | No Comments | Filed in: リスクの分析と評価.

財務報告統制を考えるにあたって最も難しいのが、「財務報告上のリスク」を的確に把握することだ。リスクとは虚偽記載の発生因子となる事象と置き換えることができるが、このリスクの把握方法をモデル化する試みは知る限りはない。以下、今後の整理のために記しておく。 1.虚偽記載をもたらす原因には、作成者の意図との…

必要十分な内部統制

2007年6月24日 | By 縄田 直治 | No Comments | Filed in: リスクの分析と評価, 財務報告統制.

財務報告に係る内部統制の経営者による評価(この名称は長いので、適当な名前が生まれないかなと思っているが・・・JSOXというのは誤解を招くので。)において、統制手続の整備なり経営者の評価をどこまでやれば十分なのかが不明確という批判や、その基準を明らかにせよとの意見がある。 実務に就く方の意見として分か…

壊れた窓ガラス

2007年4月7日 | By 縄田 直治 | No Comments | Filed in: リスクの分析と評価.

前のニューヨーク市長ジュリアーニ氏は、夜間に地下鉄にすら乗れない街の治安回復を公約に掲げて市長に当選し、見事に治安回復を図り、今ではNYはアメリカではかなり治安のいい街になっている。 警察官の給料を上げたり増員したりしという直接的な対策も大きいが、背景には、それまでの犯罪摘発が殺人などの重罪を中心に…

リスク感性

2007年4月7日 | By 縄田 直治 | No Comments | Filed in: リスクの分析と評価.

財務報告統制の構築の過程で最も悩む一つが「財務報告に係るリスクの把握」である。 会社にとって最も怖いこと、そしてこの制度が最も期待しているのが、「重要な虚偽記載」の未然防止である。平たく言えば真実と異なる数字が公表されないことであり、それは意図的に行なわれる場合に不正(粉飾)と呼ばれ、意図せずして起…

新たな会計方針の選択における経営者の役割

2007年4月1日 | By 縄田 直治 | No Comments | Filed in: リスクの分析と評価.

内部統制の運用を有効たらしめる重要な要素として、経営者の姿勢というものがある。内部統制を構築し、運用し、課題を把握し、改善していくのが経営者の責任である以上は、経営者の姿勢が影響するのは当然なのだが、この「姿勢」というものを客観的に表現することは難しい。ましてそれが監査における評価項目の一つであると…

負債の網羅性

2007年3月21日 | By 縄田 直治 | No Comments | Filed in: リスクの分析と評価.

新人駆け出しの頃、監査現場に放り出され「何をやってよいのか分からない」状態だったとき、ある先輩が「資産は実在性と回収可能性、負債は網羅性、損益項目は期間帰属」という観点から数字を見れば・・・」と言われた。これらは最近の言葉ではアサーションとか監査要点とか統制要点などと言われるものである。 この中で特…