covid19陽性者の状態

2021年4月30日 | By 縄田 直治 | Filed in: 組織力, 統計.

covid19の検査を受けて陽性反応が出ると、発症の有無に関わらず「感染者」とされてしまいます。つまり医療ケアの対象者となるわけですが、無症状の人は寝耳に水で入院しろと言われても納得しないでしょうし、反対に発症者であっても軽症であれば自宅で静かに過ごしたいと考える人も多いでしょう。

いまの行政のコロナ対策の目標は、医療体制の確保が最優先だと明言していますので、その対策としての感染者の増加を防止するための一連の施策が組まれています。

グラフの全体が「感染者」の数を表しています。そのうち赤いところが入院、緑が宿泊施設に置かれています。こうしてみると、第一波の2020年4月から5月にかけては、「感染者全員隔離」という方針であったため、すべてが入院中の扱いです。

20年7月以降、徐々にPCR検査能力が拡大し検査件数が増えるに従って、陽性者(であっても症状の軽いかない人)の属性が変わってきたのでしょう。8月のピーク時であっても入院している人は過半にも及びません。

さらに、年末年始にかけての陽性者拡大は、明らかに検査拡大の影響をも受けていますが、全体の急峻な山の高さの割には、入院者は20年4月のピークとほとんど変わっていません。つまり本当に医療的ケアの必要な人は、全体の陽性者の推移の影響はあまり受けていないということがわかります。

さらに次のグラフは、入院者のうちECMOをつかって呼吸を補助しなければならない重症者(東京都の場合)を示していますが、1月のピークで160人程度でした。

さらに、重症者を年代別に見ると60代以降の高齢者で占められており、50代で20名程度のピークがありますが、その他の年代では数人に限定されています。

重症者は圧倒的に男性が多いことを付言しておきます。

大型連休がはじまったいま、東京都を含む複数の都府県で緊急事態施策がとられています。特に東京都は従来の飲食店の夜間営業(20時以降)の禁止の他、酒類の提供を禁止するなどかなり強硬な措置に出ています。しかし、データを見れば、還暦以降の高齢者の発症を抑えれば明らかに医療体制は確保できます。ということは、これまでの高齢者の感染原因を追究すればもっと別の対策があるのではないかと考えられるわけです。少なくとも、学生や勤労世代が行動を制限されたり「酒を飲むな」と言われるのは誤っていなくとも本来の対策とはずれています。

無論、若年層から高齢層への感染は当然に想定できる話ですが、マクロの動きを制御することはかなり困難でしかも見えないウィルスへの対策としてそれが本当に最大の効果があるのとは別次元の話でしょう。だからこそミクロな対策として高齢者を守るための施策を採ることが肝要なのです。そのために専門家がたくさん集まって政策決定をしているわけですから、専門家としての知恵をだしてもらいたいところです。

ワクチン接種を推進するために政府は医療者への加算金を検討しているようですが、むしろ医師会の側から集団接種が円滑に進む方策を主体的に提案して、それに対して政府が応えるべきなのではないでしょうか。いくら個々の医者が努力したところで、できることは限られますが、政策として優先順位をつけたり全体の動きを創ることが組織や団体に必要なのですから。医療体制を守るために、都民に行動自粛を(政治を使って)求めさせて、自分たちが医療体制を護持して何をするのかという話が一向に聞こえてこないのは、残念以上に不信感を煽ります。

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