オンライン講義

2020年9月10日 | By 縄田 直治 | Filed in: 思うところ.

コロナ禍で脚光を浴びているものの一つがオンライン型の講義や会議であることは論を待たないでしょう。これにより物理的な制約がまったく取り払われてしまったので、東京で開催されるセミナーに沖縄から参加するというようなことが「あたりまえ」にできるようになりました。これまで色々なセミナーや研修会、学会などに参加していますが、いずれも「これまでどうしてこの方法を使っていなかったのだろう」と感じた次第です。もっとも会議の後に集まって懇親会をするなどの二次的目的があった場合には、それができなくなってしまうという問題や、講義などでは単位をどのように認定するかという現実的な課題があるようです。

私も8月と9月にTeamsを使って講義をする機会がありました。オンラインでの会議自体は仕事でも使っていたので、システム等に関する違和感はまったくなかったのですが、講義というのは初めてでしたので、今回、講義と会議の違いを大いに感じました。

実際にやってみて一番驚いた(というよりは不安になった)のは、参加者が本当に向こう側にいるのだろうかということです。演題に立ってしゃべる時は「わかりますか?」と尋ねたり、言葉をかわさなくても表情を見たり頷いたりで何となく雰囲気は伝わってきますが、オンライン講義ではこれがありません。

「ありません」というより、参加者は通常、通信トラフィックを下げるためにビデオや音声をオフにしているため、講師側からはまったく参加者の「雰囲気」が伝わってこないのです。そしてさらなる恐怖が・・・・通常の対面講義でもよくあるのですが「質問ありますか」と尋ねたときの無言の回答。これがオンライ講義では、こちらが尋ねている事自体が伝わっていないという恐怖を感じました。

「もしかして、回線が切れていて、これまでしゃべったことが全く伝わっておらず、相手もこちらに話しかけているけど切れているので諦めてしまったのではないか・・」

オンライ講義では、しばしば「ワーク」と呼ばれる小さな課題を講師側が出して受講生に対応してもらいながら、インタラクティブに進めていく方法があるようですが、相手(の期待)によりけりです。

時々、名指しで当てるというのも方法の一つかもしれませんが、受講生との関係が出来ていないと、少し躊躇しますね。

「手を挙げる」機能を使うとか、チャットを使って返事をするなどの、新しいプロトコルを自分で決めて示さなければならないことがよくわかりました。さらに、アンケート機能などを随時使ってその結果を共有しながら講義を進めるのも一つの方法です。できれば、手打ちの画面を共有しながら参加者に喋ってもらうのもいいですね。なお、回線切れや停電に備えて、携帯電話などで会議のホストと連絡が取れる態勢を用意してく必要性も認識しました。

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