組織文化と行動規範

2008年11月30日 | By 縄田 直治 | Filed in: 組織力.

良い会社組織とはどういうった組織を言うのかは極めて難しい問題であることは、経営学という学問分野があるにもかかわらず、未だこれといった正解が見出されていないことからも分かる。おそらく唯一の正解がないことは皆が想像しているが、学究者はその究極を求めようとするところに存在意義があろう。

学問的説明は横において、では自分がどういう会社を良い会社だと感ずるかという自問をしてみると、一つの仮説が現われる。それは、組織の構成員が当たり前と信じている行動規範(norm)の現われ方にあるのではないか。

ここでいう行動規範(norm)とは、最近流行りの「倫理行動規範」のようなものではない。むしろ、組織規定や社内ルールといったものに記載されていないが、働いている人が当然そうすべきであると考えてそのように行動している事実のことを言う。例えば、人に会ったときに挨拶をする、ドアを引く時に向こうから人が来たら通過させて待つ、通過した人はドアを押さえて通してあげる、ゴミが落ちていたら拾う、退社時には机の上を雑巾掛けする・・・・といった当たり前の行動のことである。日本語では「躾(しつけ)」という概念が近いかもしれない。

社会通念という言葉があるが、挨拶などは典型的な社会通念である。さらに業界の常識(業界慣行)というものもある。であればもちろん企業組織独自の通念があってもよいわけだ。

こういった当たり前の行動規範は、何処に書いてあるわけでもなく誰が決めたものでもないが、いつの間にか定着しているものとして捉えられているが、それは現在の我々が知らないだけで、実はその時代における環境下で最も適応した方法が環境の変化に淘汰されることなくそのまま残っていたり、強力なリーダがいてその人がルール付けしたものなどもあるのではないか。永続している企業には、環境の変化に適応する行動様式が、行動規範(norm)として受け継がれているのではないか・・・・それと業績との関係を見出すことができれば、良い会社組織というものに対する一つの解が見出せるかもしれないと期待しているのだが。

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