期中の不正の検出と期末までの治癒の開示

2009年6月27日 | By 縄田 直治 | Filed in: 内部統制報告書.

株式会社フォーバル(E02693)の内部統制報告書(平成21年3月期)では、2【評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項】の中に、なお書で、重要な欠陥が識別された旨とその是正措置により期末日までに重要な欠陥が治癒された旨が記載されている。

なお、当連結会計年度中に当社の複数社員による不正行為が行われていたことが判明し、全社的な統制におけるコンプライアンスに関する認識の欠如及び業務プロセスにおける社内牽制体制の不備、特に受注の承認及び確認体制が十分に機能していなかったなどの重要な欠陥が識別された。

識別された重要な欠陥に対し、新たにコンプライアンスに関する認識を徹底するための再教育の実施及び社内牽制体制の強化、特に受注の承認及び確認体制の強化などの是正措置を行い、これらの期末日における整備状況及び運用状況を評価した。その結果、当連結会計年度中に識別された重要な欠陥は期末日までに治癒されていると判断した。

財務報告に係る内部統制はあくまでも期末日現在の有効性に関する経営者の結論を表明することになっているが、このように評価の過程において重要な欠陥が識別されたことをあえて開示し、期末までに対応したことを開示するのは、開示姿勢として望ましいことであり、かつまた内部統制報告書の利用者に好感をもって受け止められるのではないか。
ただ、制度上、どのように開示すべきなのかは整理されていないところなので、今後の規制当局の対応が必要だろう。

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