Archives: 会計原理

解釈に幅のある制度

2007年4月21日 | By 縄田 直治 | No Comments | Filed in: 会計原理, 財務報告統制.

制度を作る際に悩むところが、原理原則を決めてあとは運用者に任せるという方法と、具体的な細目までを定めて事細かに規定するという方法がある。民主主義社会における考え方は、国民を縛る法律は前者、権力を縛る法律は後者という考えが、あるべき姿なのだろう。 例えば、刑法などはどういう行動が「罪」に値するのかはき…

会計制度と会計方針の開示

2007年4月15日 | By 縄田 直治 | No Comments | Filed in: 会計原理.

会計制度の建付けには、大きく原則主義と細則主義との対立する考え方がある。 原則主義とは、会計の大枠を原理原則として取り決めて、後は実務慣行と経営者と監査人との判断に任せようという考え方である。一方、細則主義は取引のケースを事細かに想定して、一つ一つについて会計処理ルールを制定していくものである。 原…

企業観・会社観

2007年3月17日 | By 縄田 直治 | No Comments | Filed in: 会計原理.

「会社とは何か」という問いかけは、実に奥が深いものであり、当然にその答えは様々だ。 働く場所、生活の糧を得る場所、株主の権利の寄せ集め、目的を持った人間の集団、ルールによって人が動く機能組織、法人登記された団体、経営資源 • Read More »

経営者による判断と情報の非対称性

2007年3月12日 | By 縄田 直治 | No Comments | Filed in: 会計原理.

最近の会計基準にはやたらと「公正価値」(fair value)なる概念が用いられている。通常は市場のあるものであれば市場取引されている価格が公正価値として認められるが、市場のないものであれば専門家の鑑定などが用いられる。しかし、正味現在価値法などによって求められる価値は、最終的には経営者の主観的判断…